光の少女Ⅲ【合成獣編】
「・・・行くぞ」
「さぁ、皆、行こう」
総長の男が言い、聖羅が神蘭の腕を引っ張りながら、他の四人にも声を掛ける。
姿を消す前に一度振り返った神蘭達に、風夜が『大丈夫だ』と伝えるように一度頷く。
そして、彼等が姿を消すと、風夜は花音を見てきた。
「・・・悪いな、勝手に決めて」
その言葉に、花音は首を横に振る。
「ううん。それより、早く皆にも今のことを話さないと。あまり時間はないよ」
「そうだな」
そう言い頷きあうと、花音と風夜は仲間達のいる場所に戻る為、踵を返した。
「何だと?!風の国を・・・!」
森の中に戻り、先程聞いた話をすると、空夜が声を上げた。
「今、風の国を攻められたら・・・」
「風の国の民だけじゃなく、そこにいる火、水、地、陰の一族も・・・」
水蓮と紫姫も、その話を聞いて、顔を青ざめさせた。
「・・・ああ。だから、風の国を奪還するしかない。今日か、明日中にな」
「そうはいっても、簡単にはいかないだろ。神蘭達もいないみたいだしな」
「・・・そういえば・・・」
そこで思い出したように光輝が、千歳、昴、星華の三人を見た。