光の少女Ⅲ【合成獣編】
2


「それで、何でこのメンバーなんだ?」


城の外、三組に分かれたあとのメンバーを見て、風夜が言う。

自国である風夜、空夜、風華が奪還に動くのは当然として、他には花音、光輝、凍矢、刹那、千歳、昴がいた。


「夜天達は、他国の皇子だからな。あまり他の国の内情で動くのはよくないだろ」

「そう言うお前はどうなんだ?」

「俺は、街の長だからな。夜天達よりは、自由がきく」

「・・・お前らは?」


光輝の答えに溜め息をつくと、風夜は凍矢と刹那を見た。


「俺達は、あいつらに頼まれたんだよ」

「あいつらって・・・?」

「琴音と美咲、星夢に決まってるだろ」


凍矢の言ったことに花音が首を傾げると、刹那がそう付け加える。

彼女達はその能力の特性からいっても、他の二ヶ所の方に回るのが妥当だった為、別行動になっていた。

風夜が今度は千歳と昴を見る。


「俺達は協力するって約束しただろ?」

「まぁ、仮にも軍人だからな。一番危険なところに入るのが普通だろ?」

「・・・とにかく、時間がないなら、ここでいつまでも話してる場合じゃないだろ。そろそろ行くぞ」


空夜が言って、一歩前に踏み出す。

それと同時に、まるで中に入れというように城の扉が音を立てて開いた。
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