光の少女Ⅲ【合成獣編】
「そう・・・、お前達が国を出ている間に、継承を終えたのだ」
「そんなの、認められるかっ!」
「・・・今の状況に甘んじているお前を、王として認める訳にはいかない!」
そう言った風夜と空夜に、元大臣が手を翳す。
それと同時に、二人の身体が後ろへと吹っ飛んだ。
「風夜!?」
「空兄様!」
壁に背を強打した二人を、元大臣は冷たい目で見る。
「・・・ふん、言葉には気をつけろ。この国の王は、私だ。逆らう者は許さん!」
そう言いつつ、玉座から立ち上がる。
その背には、いつの間にか巨大な翼が二対生えていた。
「お前・・・、その姿・・・」
翼を生やした元大臣を見て、光輝が呟く。
「私は、この国の王になると同時に、最上級クラスの魔族になった」
「最上級クラス!?」
千歳と昴が息をのむ。
「そうだ。私はあいつらから力を貰い、最上級クラスになったのだ。だが、構わないだろう?この国には元々魔族の血が混じっていたのだからな。風夜様に継承権があったのなら、私がなっても問題はないだろう?」
「・・・あるよ」
「ん?何か言ったか?」
花音が呟くと、元大臣は聞き返してきた。