光の少女Ⅲ【合成獣編】



「ここは?」


呟いて、花音は辺りを見回す。

辺りは暗く、花音達の姿しかない。


「ここは、私が作り上げた異空間。この中で起きていることは、他の奴等に知られることはない」

「っ・・・!」


元大臣がそう言った時、刹那が急に手を押さえるのが見えた。

その手には、黒い電流のようなものが走っている。


「無駄だ。私のこの空間は、魔力の壁。いくら空間を操れるといっても、私の力には及ばないのだからな。・・・そして、私にはこんな力もある」


元大臣はそう言うと、再び手に力を宿す。

それを風夜の方へ向けたかと思うと、彼の足元から黒い光が立ち上ぼった。


「これはっ・・・?・・・・・・うわあああ!!」


抵抗も出来ないまま、風夜の身体を術が捉える。


「風夜!」


その中で苦痛の声を上げるのを見て、術を止めさせようと元大臣を攻撃しようとした時、風華に服を引っ張られた。


「か、花音ちゃん!あれっ・・・!」

「えっ?」


花音が風夜の方を指しているのを見て、花音も視線を戻す。

すると、術中に捕らわれている風夜の姿がぶれて見えた。
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