光の少女Ⅲ【合成獣編】
「なるほどって、何かわかったのか?」
「ああ。これはお前達の国の過去を何者かが見せているんだ。・・・まぁ、そんなことが出来るのは、強い力を持った魔族くらいだろうが」
「過去を見せる・・・?一体、誰が何のために?」
「・・・さぁな。そこまでは」
風夜の問い掛けに《風夜》が肩を竦めた時、和やかに談笑していた四人の姿が消える。
次に花音達が見たのは、王が亡くなったのだろう、墓の前にいる王妃と息子二人だった。
だが、その三人の内、成長しているのは息子の一人だけで、王妃ともう一人の息子に変化が見られない気がした。
再び場面が変わり、今度は息子の一人が女性に何かを言っていた。
『一体、俺は何なんだ!?兄上に比べて、俺は数年間この姿のままだ!城の者にも、国民達にも不審に思われてる。それに、今まで言わなかったけど、母上だってずっとその姿じゃないか!?』
『・・・・・・』
『それに、最近は俺の中に何かがいる気がしてならない!そいつが、俺の身体を奪おうとしている気がして、恐いんだ!俺は、人間じゃないのか?皆が陰で言うような、化け物なのかよ!?』
その言葉に、女性はただ悲しそうに笑っていた。