光の少女Ⅲ【合成獣編】
「って、何でお前が答えるんだよ?」
「決まってるだろ!こいつらの力を受け入れれば、今度はお前自身が魔族になる。そうすれば、お前の時間はこいつらと大きく異なる。それにだ、一緒に行動してきた神族の奴等が、お前を見逃しているのは〈人間〉としてのお前がいたからだ。だが、あいつらの力を受け取れば・・・」
「・・・貴方は、一度人としての生を終える。そして、魔族に転生すると同時に、彼等とは、相容れない、対立しあう存在になる」
《風夜》と女性が言う。
「それでも、私達の力を合わせれば、その力は最上級クラス。窮姫達や、闘神達以上の力・・・、簡単には消されないと思うけど」
「・・・・・・」
それを聞きながら、風夜は顔を俯かせた。
「・・・二つ、聞いていいか?」
顔を俯かせているため、表情が読めない風夜が口を開く。
「何かしら?」
「俺がお前達の力を受け入れたら、もう一人の俺はどうなる?」
「・・・そうね。完全に別の存在になるのは、間違いないでしょうね。・・・でも、貴方の中に戻れないからといって、消えることはないはずよ。私達も、消させるつもりはないしね」
「・・・もう一つ、お前達が力を貸そうとするのは何故だ?」
「決まっているでしょう。この国、そしてこの世界の為よ」
女性のその言葉に、風夜は顔を上げた。