光の少女Ⅲ【合成獣編】

第5章 最後の役目

1

過去の王族達が作り出していた空間から花音達が出ると、残っていた光輝達が倒れていた。


「光輝・・・!」

「・・・うっ・・・、姉上?」

「大丈夫?」

「・・・気をつけろ。この空間、こっちの攻撃を全て跳ね返してくるぞ」


駆け寄り光輝を助け起こしていると、すぐ近くにいた凍矢が言った。


「そう。この空間は、私の為のもの。この空間にいる以上、私は最強。お前達は、私にダメージを与えることは出来ないのだ」


そう言って笑った大臣の前に、同じように笑みを浮かべた風夜が進み出た。


「・・・なるほどな。なら、この空間を壊せば、お前にダメージを与えることが出来るってことだろ?」

「ふ、そうだが、そんなこと出来る訳が・・・」


元大臣がそこまで言った時、風夜が目を閉じる。


「「!!」」


それと同時に、千歳と昴が目を見開いた。


「この力・・・」

「前より力を増しているっ・・・」


そう呟き、息をのんだ二人の前で、風夜が目を開ける。


「はあっ・・・!」


風夜から放たれた魔力が、空間の壁にぶつけられる。

それは一瞬の拮抗もなく、壁を内側から吹き飛ばした。
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