光の少女Ⅲ【合成獣編】
「ぐっ・・・、私が・・・、最上級クラスになったこの私が、負けるというのか・・・、漸く私の夢が叶ったというのに・・・、漸くこの国の王に・・・」
倒れたまま、そう呟く声がする。
そんな元大臣へ、風夜が近付いていく。
その時、幾つかの足音が近付いてくるのが聞こえ、謁見の間の扉が開かれる。
見ると、それは別行動中だった火焔達だった。
「こっちは終わったわよ」
「大丈夫ですか?」
彼等と行動していた神麗が言い、傷を負っている夜天達を見て、星華が駆け寄ってきた。
「終わったって、王様達を助けられたの?」
「ああ、先に城を出てもらった。それより、こっちは・・・」
倒れている元大臣と、姿が変わっている風夜、彼とは別に存在している《風夜》を見て、火焔が言う。
「それは、えっと・・・」
それに花音が答えようとした時、倒れていたはずの元大臣が動いた。
「・・・諦めるものか・・・、私は王になるのだ・・・!もう何処の国でも、構わんっ!」
そう叫んだかと思うと、手を刃のような形に変形させ、突っ込んでこようとする。
だが、その前にその身体を光線のようなものが貫いた。
「がっ・・・!」
信じられないというように目を見開いた元大臣が倒れていく。
倒れた身体は次第に動かなくなり、消滅しはじめる。
それを風夜は、冷たい目で見ていた。