光の少女Ⅲ【合成獣編】
第4章 新たな力
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研究所から逃げ出し、街にある沙羅の家へ戻ってきた花音達は、意識を失っている風夜、紅牙、蒼牙をベッドへ寝かせ、自分達も身体を休めていた。
「黄兄さん・・・」
「・・・ごめん、なさい・・・」
意識のない紅牙と蒼牙が魘されているのに気付き、花音は表情を歪めた。
(私、今のままじゃ、まだ力不足だ・・・)
能力が目覚めたばかりの頃に比べたら、だいぶ扱いには慣れてきた。
だが、夜天達と離れたことで、戦力が大幅に下がっている今、ただ能力を使いこなせるだけでは充分とはいえなかった。
三人の意識が戻り、夕食の時間になって、皆が集まっても誰もが口を開かず、無言のまま時間が過ぎていく。
「・・・なぁ」
その沈黙を破るように口を開いたのは、風夜だった。彼は、真剣な表情で沙羅を見ている。
「一つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「ええ」
「もし俺が、魔族としての力を受け入れたとする。そしたら、昼間のあいつと戦ったとして、勝算はあるか?」
「・・・ええ。あるというより、ほぼ確実に勝てるでしょうね。魔族の自分と戦うにも、貴方の力を上げる必要があるから。勝てばその力に魔族としての力が加わる訳だしね。力に振り回され、暴走するのと、力を自分のものとして使いこなせるのとでは、違うわ」
それを聞いて、風夜は考え込むように黙ってしまった。
研究所から逃げ出し、街にある沙羅の家へ戻ってきた花音達は、意識を失っている風夜、紅牙、蒼牙をベッドへ寝かせ、自分達も身体を休めていた。
「黄兄さん・・・」
「・・・ごめん、なさい・・・」
意識のない紅牙と蒼牙が魘されているのに気付き、花音は表情を歪めた。
(私、今のままじゃ、まだ力不足だ・・・)
能力が目覚めたばかりの頃に比べたら、だいぶ扱いには慣れてきた。
だが、夜天達と離れたことで、戦力が大幅に下がっている今、ただ能力を使いこなせるだけでは充分とはいえなかった。
三人の意識が戻り、夕食の時間になって、皆が集まっても誰もが口を開かず、無言のまま時間が過ぎていく。
「・・・なぁ」
その沈黙を破るように口を開いたのは、風夜だった。彼は、真剣な表情で沙羅を見ている。
「一つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「ええ」
「もし俺が、魔族としての力を受け入れたとする。そしたら、昼間のあいつと戦ったとして、勝算はあるか?」
「・・・ええ。あるというより、ほぼ確実に勝てるでしょうね。魔族の自分と戦うにも、貴方の力を上げる必要があるから。勝てばその力に魔族としての力が加わる訳だしね。力に振り回され、暴走するのと、力を自分のものとして使いこなせるのとでは、違うわ」
それを聞いて、風夜は考え込むように黙ってしまった。