光の少女Ⅲ【合成獣編】


「着いたわ。この山よ」


次の日朝早く、花音は風夜、沙羅と共にある山の麓に来ていた。


「何なんだ、この山・・・」

「ふふ、ここに協力者がいるのよ。さぁ、行きましょう」


沙羅が歩き出す。彼女について登っていくと、中腹の辺りに一軒の家が建っていた。その扉を沙羅が叩くと、一人の女性が出てくる。


「あら、沙羅さん?珍しいわね。貴女が此処に来るなんて」

「神麗、ちょっとこの山を貸してもらえないかしら?実は・・・」


沙羅が女性に、今までのことを説明する。それを聞いた女性は、ニッコリと笑った。


「そういうことなら、構わないわ。好きに使って」

「ありがとう」


そう返すと、沙羅は風夜を見た。


「さてと、じゃあ始めましょうか。あまり時間は掛けられないから、数日で勝てるくらいにはなってもらわないとね」


そう言い、沙羅が風夜を連れて、何処かへ行こうとする。花音はついていこうとして、神麗と呼ばれていた女性に止められた。


「はい、あなたは此処で待っててね」

「えっ?」

「この山って、結構危ないのよ。沙羅さんって、ああ見えてスパルタでもあるから、時間がないなら無茶なこともするかもしれないしね。だから、此処で待ってましょう」

「・・・はい」


頷いた花音に、神麗は笑い、風夜と沙羅を見る。


「ってことで、この子は私が責任もって預かるから、いってらっしゃい」


そう言った神麗に手を引かれ、花音は彼女の家の中に入った。
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