光の少女Ⅲ【合成獣編】
神麗の家に世話になるようになって一夜明け、花音は自分が泊まった部屋の中を見回した。

神麗の家には泊まれるような部屋は一つしかなく、風夜と沙羅も同じ部屋のはずだったが、二人の姿はなかった。


「あら、おはよう」


もう起きているのかと思い、部屋を出ても神麗の姿しかない。


(此処にもいない・・・)


「二人なら、帰ってきてないわよ」

「えっ?」

「ふふ、探してたんでしょ?」


言いながら、花音の前にお茶を出してくれる。


「あ、ありがとうございます」

「どういたしまして。ところで、あなたにも何か悩みがあるんじゃないかしら?」


花音の前に座った神麗に言われ、受け取った茶を置いて、視線を移した。


「どうして・・・」

「そう思うかって?・・・そうね。何故かと聞かれたら、元気がないように見えるからね。何を悩んでいるか、よかったら聞かせてもらえないかしら?」


優しげな表情を向けてくる神麗に、花音は少し迷ったが、口を開いた。
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