光の少女Ⅲ【合成獣編】
2
「何?どういうこと?」
二つの力のぶつかり合いで起きた強風に飛ばされないよう踏みとどまりながら、花音は声を上げる。
「・・・〈彼〉もずっと存在していたのよ。風夜の・・・、いえ、お姉さまが風の国の王との間に授かった子以降、お姉さまの血を強く受け継いだ全員の中に、それも術によって、出てこれないよう奥深くに封じられていた。ただ今までは誰にも気付かれずにただ消えていた」
「術・・・、それは誰が?」
「お姉さまよ。お姉さまは、子孫達に普通に人として生きてほしかった。だから、魔族の血と力を封じる術を施していたの」
「・・・もう一人の自分の中に閉じ込められ、出てくることを許されず、存在も許されない。・・・少し可哀想ね」
強風に煽られる髪を抑えながら、神麗が言う。
風夜達の方へ視線を移せば、どちらも譲らない押し合いが続いていた。
「「うおおおぉっ!」」
お互いの力が高まり、エネルギーも莫大なものになり、最後には大きな爆発を起こす。
「きゃあああっ!」
「「っ・・・!」」
その余波は花音達の方まで来て、後方へ飛ばされる。
爆風がおさまってから花音が身を起こすと、お互いに息を切らせている二人の風夜が睨みあっていた。
「・・・まさか、此処までやるとはな。・・・だが・・・」
言いながら、〈風夜〉が今までに比べると弱々しいが、手に魔力を溜める。
「もう、お前には、力を使う余力は残ってないはず。・・・俺の勝ちだ」
そう言い、風夜に向けて攻撃しようとした所で、その前に別方向から飛んできたエネルギー弾が彼を吹っ飛ばした。
「何?どういうこと?」
二つの力のぶつかり合いで起きた強風に飛ばされないよう踏みとどまりながら、花音は声を上げる。
「・・・〈彼〉もずっと存在していたのよ。風夜の・・・、いえ、お姉さまが風の国の王との間に授かった子以降、お姉さまの血を強く受け継いだ全員の中に、それも術によって、出てこれないよう奥深くに封じられていた。ただ今までは誰にも気付かれずにただ消えていた」
「術・・・、それは誰が?」
「お姉さまよ。お姉さまは、子孫達に普通に人として生きてほしかった。だから、魔族の血と力を封じる術を施していたの」
「・・・もう一人の自分の中に閉じ込められ、出てくることを許されず、存在も許されない。・・・少し可哀想ね」
強風に煽られる髪を抑えながら、神麗が言う。
風夜達の方へ視線を移せば、どちらも譲らない押し合いが続いていた。
「「うおおおぉっ!」」
お互いの力が高まり、エネルギーも莫大なものになり、最後には大きな爆発を起こす。
「きゃあああっ!」
「「っ・・・!」」
その余波は花音達の方まで来て、後方へ飛ばされる。
爆風がおさまってから花音が身を起こすと、お互いに息を切らせている二人の風夜が睨みあっていた。
「・・・まさか、此処までやるとはな。・・・だが・・・」
言いながら、〈風夜〉が今までに比べると弱々しいが、手に魔力を溜める。
「もう、お前には、力を使う余力は残ってないはず。・・・俺の勝ちだ」
そう言い、風夜に向けて攻撃しようとした所で、その前に別方向から飛んできたエネルギー弾が彼を吹っ飛ばした。