光の少女Ⅲ【合成獣編】
2
「はい、どうぞ。飲み物は紅茶とコーヒー、どちらがいいかしら?」
あの後、沙羅と改めて名乗った女性と瑠璃と名乗った小さな少女の家へと花音達は連れてこられていた。
彼女は二人の前にクッキーを置いて、そう問いかけてくる。
「えっと・・・?」
「そんなことはいい。それより、本題に・・・」
「もー、せっかちだなぁ」
苛ついているような風夜の声に、一枚のクッキーを抱え込むようにして食べていた小さな少女が言う。
沙羅は風夜の顔を見て、クスリと笑った。
「ふふ、その顔もあの人にそっくりね」
「あの人?」
「ええ。・・・私の姉の夫と。やっぱり、あれから何百年と経っていても、血の繋がりというのは凄いわね」
「・・・ん?」
しみじみと呟いた沙羅の言葉に、幾つか聞き逃せない単語が出てきた気がした。
「えっと、沙羅さん?今の・・・」
「沙羅、一人で納得していても、この二人にはわからないよ」
「そうねぇ、何から話そうかしら?私の姉が風の国の王と夫婦だったことからなら」
「・・・いや、今の一言で充分だ」
「そう?」
話し出そうとした沙羅に、風夜が返す。
「でも、何百年も前の話ですよね」
「ふふ、こう見えても私、何千年も生きてるのよ。私だけじゃなく、魔族や神族は皆、外見の何倍も生きてるわね」
「てことは、王の妻だったっていうお前の姉もいるのか?」
風夜の言葉に、それまで浮かんでいた沙羅の笑みが消えた。
「はい、どうぞ。飲み物は紅茶とコーヒー、どちらがいいかしら?」
あの後、沙羅と改めて名乗った女性と瑠璃と名乗った小さな少女の家へと花音達は連れてこられていた。
彼女は二人の前にクッキーを置いて、そう問いかけてくる。
「えっと・・・?」
「そんなことはいい。それより、本題に・・・」
「もー、せっかちだなぁ」
苛ついているような風夜の声に、一枚のクッキーを抱え込むようにして食べていた小さな少女が言う。
沙羅は風夜の顔を見て、クスリと笑った。
「ふふ、その顔もあの人にそっくりね」
「あの人?」
「ええ。・・・私の姉の夫と。やっぱり、あれから何百年と経っていても、血の繋がりというのは凄いわね」
「・・・ん?」
しみじみと呟いた沙羅の言葉に、幾つか聞き逃せない単語が出てきた気がした。
「えっと、沙羅さん?今の・・・」
「沙羅、一人で納得していても、この二人にはわからないよ」
「そうねぇ、何から話そうかしら?私の姉が風の国の王と夫婦だったことからなら」
「・・・いや、今の一言で充分だ」
「そう?」
話し出そうとした沙羅に、風夜が返す。
「でも、何百年も前の話ですよね」
「ふふ、こう見えても私、何千年も生きてるのよ。私だけじゃなく、魔族や神族は皆、外見の何倍も生きてるわね」
「てことは、王の妻だったっていうお前の姉もいるのか?」
風夜の言葉に、それまで浮かんでいた沙羅の笑みが消えた。