光の少女Ⅲ【合成獣編】

「皆、大丈夫?」


男がいなくなり、花音はそう声を掛ける。


「うん、ちょっと痛いけど」

「まだ、我慢できるから大丈夫だ」

「それより、あいつを追いかけないと」


黄牙に頷いて、風夜が目を閉じる。

次に開いた時には、左右で目の色が異なっていて、背に翼が生えていた。


「俺が先に行って、奴を足止めしておく」

「・・・うん、わかった。気を付けてね、すぐ行くから」

「ああ」


飛び上がって、先に行く風夜を見送る。

先程二回背中を強打していたこともあり、心配ではあったが、男に追い付けるとしたら彼しかいなかった。


「いた・・・!」


街の方まで来て、漸く風夜と男の姿を見つける。

そこには風夜と男だけでなく、異変に気が付いて駆けつけてきたらしい沙羅、神麗、朔耶の姿もあった。


「一体、あいつは?」

「研究所にいた男だよ!」

「でも、どうしてあんな姿に?」


朔耶の問いに、紅牙が答え、沙羅が首を傾げる。


「あいつの研究成果らしい。様々な種族を組み合わせたそうだ」

「その種族というのは?」

「えっと、龍、鬼、神、魔、妖、獣だっていってたけど・・・」


花音が答えると、神麗は少し考えるような素振りをみせた。
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