光の少女Ⅲ【合成獣編】
第8章 帰還
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「もう大丈夫みたいね」
研究員の男との戦いから数日後。
朝から風夜と共に何処かに出掛けていた沙羅が戻ってきたのと同時に言った。
「大丈夫って、何が?」
「もう暴走する心配はないってことよ」
にっこりと笑って言う沙羅から風夜へ視線を移す。
彼は何だか疲れた様子で、椅子に座っていた。
「ったく、色々理由をつけて、この使い方を徹底的に特訓させられるとはな」
そう言いながら、風夜は腰に差してある今は柄だけになっている武器に目をやる。
「あはは、それはお疲れさま。・・・そうだ。さっきクッキーを焼いたんだ。皆でお茶にしよう」
苦笑しながら、風夜にそう返し、花音は今いない紅牙達を呼びに行くことにした。
「おいしーい!おいしいよ、花音お姉ちゃん!」
「うまい!蒼牙、こっちも食べてみろよ!」
「紅牙こそ、こっちもおいしいよ」
「・・・お前ら、もう少し行儀よくしろよ」
何枚ものクッキーを次々と頬張る紅牙と蒼牙を見て、黄牙が二人に言う。
「「だって、おいしいんだよ!」」
「はぁ・・・」
声を合わせて返した二人に、溜め息をついた黄牙を見て、花音は思わず笑ってしまう。
もうかなり前のことに思えるが、まだ平和と呼べた時、風の国で風華や火焔達とお茶会をしたことを思い出す。
その時とは場所もメンバーも違ったが、その時のような暖かい気持ちにはなる。
色々なことがあり、気が休まることが、最近はなかったが、今だけは忘れていることが出来た。
「もう大丈夫みたいね」
研究員の男との戦いから数日後。
朝から風夜と共に何処かに出掛けていた沙羅が戻ってきたのと同時に言った。
「大丈夫って、何が?」
「もう暴走する心配はないってことよ」
にっこりと笑って言う沙羅から風夜へ視線を移す。
彼は何だか疲れた様子で、椅子に座っていた。
「ったく、色々理由をつけて、この使い方を徹底的に特訓させられるとはな」
そう言いながら、風夜は腰に差してある今は柄だけになっている武器に目をやる。
「あはは、それはお疲れさま。・・・そうだ。さっきクッキーを焼いたんだ。皆でお茶にしよう」
苦笑しながら、風夜にそう返し、花音は今いない紅牙達を呼びに行くことにした。
「おいしーい!おいしいよ、花音お姉ちゃん!」
「うまい!蒼牙、こっちも食べてみろよ!」
「紅牙こそ、こっちもおいしいよ」
「・・・お前ら、もう少し行儀よくしろよ」
何枚ものクッキーを次々と頬張る紅牙と蒼牙を見て、黄牙が二人に言う。
「「だって、おいしいんだよ!」」
「はぁ・・・」
声を合わせて返した二人に、溜め息をついた黄牙を見て、花音は思わず笑ってしまう。
もうかなり前のことに思えるが、まだ平和と呼べた時、風の国で風華や火焔達とお茶会をしたことを思い出す。
その時とは場所もメンバーも違ったが、その時のような暖かい気持ちにはなる。
色々なことがあり、気が休まることが、最近はなかったが、今だけは忘れていることが出来た。