光の少女Ⅲ【合成獣編】
森で再会した二人と光の街に来ると、出発前とは大分様子が変わっていた。
「ここが、光の街・・・?」
(光輝がずっと大切に守ってきた街が・・・、こんな・・・)
「街の人々や、他の奴等はどうなったんだ?」
荒れ果てた街の様子に花音が呆然としていると、風夜の声が聞こえてきた。
「襲撃の直前に、街の人々はどうにか逃がした。星夢の能力で、襲撃があるのはわかってたからな。他の奴等は」
「俺達、闘神が一人ずつついた幾つかのグループに分かれ、ここを脱出したんだ」
「本当なら、夜天と雷牙も一緒にいたけど、脱出後、また襲われてな」
「はぐれたのか?」
聞いた風夜に、光輝は頷いた。
「それなら、先ずはその二人を探しましょうか」
「二人とはぐれたのは、どの辺りなんだ?」
「ここから数キロ離れたところだ。俺が倒した化け物の痕跡があるから、わかるはず」
神麗と黄牙、白夜が言う。
「よし、じゃあ、行ってみようぜ!」
「僕、結構気配に敏感だから、襲われても、二人がいても、すぐわかると思うよ」
「そうね。ここにいても、何の進展もなさそうだし、行きましょう」
紅牙と蒼牙が暗い雰囲気を消すかのように、明るい声で言い、同意した沙羅が呆然としていた花音の背を押してくる。
「ほら、行くぞ」
同じように街を見ていた光輝には、風夜が声を掛けているのが見えた。