光の少女Ⅲ【合成獣編】
第2部 繋がる絆
第1章 暗雲
1
「・・・・・・」
すっかり主を変えてしまった風の国の城。
火焔は窮姫に呼び出され、軍の施設を訪れていた。
「ああ、来たわね」
「・・・今度は一体何の用だ?」
「ふふ、貴方にやってきてほしいことがあってね」
「俺一人でか?」
「後の二人は、今国へ戻ってるでしょう。平気よ。ただ貴方は見ていて、データをとってくるだけでいいの」
「?」
「ふふ、こっちよ」
言って、窮姫が歩き出す。
それについていくと、そこは軍の牢だった。
「「「ヴアアア!」」」
「こいつらは・・・!」
牢の中を覗いた火焔は、中にいた様々な姿をした者達を見て、窮姫を振り返った。
「この前、光の街を襲撃する時に使った・・・」
「そうよ。その時に貴方達がとってきてくれたデータをもとに、改良したの。そこで、もう一度データをとってきてほしいのよ」
「・・・・・・」
「彼等ではなく、《彼》のデータをね」
窮姫が言って、牢の中にいる者達から視線を外し、更に奥へと続く通路へ移す。
その先から、此方に近付いてくる足音が聞こえてくる。
現れたのは、竜と鬼のような腕を持ち、色の異なる翼を生やした男だった。
その異様な姿に、火焔は思わず息をのむ。
「ふふ、大丈夫よ。彼には意識がきちんとある。味方である貴方に、害を及ぼすことはないわ」
そう言って窮姫は笑ったが、火焔は警戒を完全に解くことは出来なかった。
「・・・・・・」
すっかり主を変えてしまった風の国の城。
火焔は窮姫に呼び出され、軍の施設を訪れていた。
「ああ、来たわね」
「・・・今度は一体何の用だ?」
「ふふ、貴方にやってきてほしいことがあってね」
「俺一人でか?」
「後の二人は、今国へ戻ってるでしょう。平気よ。ただ貴方は見ていて、データをとってくるだけでいいの」
「?」
「ふふ、こっちよ」
言って、窮姫が歩き出す。
それについていくと、そこは軍の牢だった。
「「「ヴアアア!」」」
「こいつらは・・・!」
牢の中を覗いた火焔は、中にいた様々な姿をした者達を見て、窮姫を振り返った。
「この前、光の街を襲撃する時に使った・・・」
「そうよ。その時に貴方達がとってきてくれたデータをもとに、改良したの。そこで、もう一度データをとってきてほしいのよ」
「・・・・・・」
「彼等ではなく、《彼》のデータをね」
窮姫が言って、牢の中にいる者達から視線を外し、更に奥へと続く通路へ移す。
その先から、此方に近付いてくる足音が聞こえてくる。
現れたのは、竜と鬼のような腕を持ち、色の異なる翼を生やした男だった。
その異様な姿に、火焔は思わず息をのむ。
「ふふ、大丈夫よ。彼には意識がきちんとある。味方である貴方に、害を及ぼすことはないわ」
そう言って窮姫は笑ったが、火焔は警戒を完全に解くことは出来なかった。