光の少女Ⅲ【合成獣編】
「何かあったの?」
「また化け物に襲われたんだ。それも街を襲ってきた奴等とは、比べられないくらい、異常な雰囲気の奴がな」
「ええ、鬼と龍、それ以外にも幾つかの種族が混じっているみたいでした。・・・たった一人の男だったんですけど・・・」
「!!」
夜天と鈴麗の言葉に、花音は沙羅達を見る。
彼女達も同じ人物が思い浮かんだようだった。
「それって・・・」
「あいつ、生きてるのか?」
「知ってるのか?」
声を上げた花音と風夜に、白夜が問い掛けてきた。
「うん。でも、あの時、倒したはずじゃ・・・」
「・・・やっぱり、ちゃんと確認しておいたほうがよかったかしらね」
信じられないと呟いた花音に、沙羅が溜め息をついて言った。
「でも、よくここまで逃げて来られたな。あいつ、スピードも並の速さじゃなかったのに」
黄牙がそう言う。
「ええ、白鬼が足止めしてる間に・・・」
「!!足止めって、白ちゃんだけで!?・・・場所は?」
「この森のすぐ近くです」
「そう、なら行きましょう。一人で相手にするには、少々厄介な相手よ」
真剣な表情で言った神麗に、白夜と鈴麗も状況があまりよくないことを感じとったのか、表情を引き締めていた。