光の少女Ⅲ【合成獣編】

第2章 犠牲

1
森を出て、白鬼が残っているという場所へ向かう花音の耳にも、激しい爆音が聞こえてくる。

その場所が近付くにつれ、胸騒ぎもした。


(何だろ?よくわからないけど、凄く嫌な予感がする・・・)


そう思いながらも、そこへ向かう足を速める。

漸くその場所に着くと、息を切らせている白鬼の前に、花音達が倒したと思っていた男の姿があった。


「「白鬼!」」


声を上げた白夜と鈴麗に、白鬼の意識が此方に向いたのがわかった。

その時、男が彼に手を向けるのが見えた。


「危ないっ!」


そう声を上げたのは誰だったのか。

その声も空しく、彼の身体を男が放った一筋の光線が貫いた。


「ぐぁっ・・・」

「白鬼!」

「白ちゃん!」

「このっ・・・!」


更に攻撃しようとした男を、白夜が横から吹っ飛ばす。

鈴麗、神麗に続いて、倒れた白鬼に近付いた花音は、足を止め、口元を手で覆った。

少し離れた場所からでも、その傷口が深いのがわかった。


「ぐっ・・・」

「傷口が深すぎる。血が止まらない・・・!」

「そんな・・・」

「はははっ、次はどいつだ?誰でもいいぞ!」


男のそんな声が聞こえてきたが、今はそれに構っていられなかった。
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