光の少女Ⅲ【合成獣編】
「白鬼!しっかりして!」
段々と虚ろな目になっていく白鬼に、鈴麗が声を掛けるが、それすらきちんと聞こえているのかわからない。
「 」
「えっ?」
傷口を抑え、出血を止めようとしている鈴麗と神麗に、白鬼が何かを言っている。
声が小さすぎて花音には何を言ったのかわからなかった。
「・・・もういい。俺は助からないから、向こうで白夜を手伝ってやれ」
「えっ?」
「蒼牙?」
不意に呟いた蒼牙を、花音と紅牙が見る。
「あのお兄ちゃんが言ったことだよ」
「・・・そうか。お前には聞こえるんだな」
「・・・うん」
悲しげな表情で蒼牙が頷いた時、爆風と共に風夜と白夜が吹っ飛ばされてくる。
「さあ、他の奴等は来ないのか?」
余裕のある笑みを浮かべている男に、白鬼はふらつきながらも立ち上がった。