光の少女Ⅲ【合成獣編】
「風夜、これ」
森の中での簡単な食事の後、白亜から受け取った紙を取り出す。
「ん?」
「さっき白亜がくわえてたんだけど、風夜宛てみたい」
「俺?・・・一体、誰が?」
呟いて、その紙を受け取った風夜が目を細める。
「この字は、火焔だな」
「えっ?」
風夜の口から出た名に、花音は声を上げる。
花音だけでなく、夜天や雷牙、他の仲間達も集まってきていた。
「何て書いてあるんだ?」
「・・・話があるから、この近くにある山の麓まで来いだと」
代表するように聞いてきた夜天に答えて、風夜が紙をしまう。
「・・・それで行くのか?」
「行かないと、向こうの用件がわからないからな」
そう言って、歩き出そうとした風夜に花音は声を上げる。
「待って!私も行くよ!」
「お姉ちゃんが行くなら、僕も!」
「お、俺も!」
花音に続くように、蒼牙と紅牙もそう声を上げた。