光の少女Ⅲ【合成獣編】

黒い獣へと姿を変えた朔耶の背に乗り、手紙に書いてあった場所へ来ると、そこには既に火焔の姿があった。


「・・・来たか。・・・見慣れない顔ばかりだな」


此方を見て直ぐに蒼牙達に気付いたらしい火焔が言う。


「・・・ああ。別世界で会った奴等だ。一人で来いという指定もなかったし、構わないだろう」


風夜がそう言いながら、火焔の方へ一歩踏み出す。

そんな二人の様子をただ見守っていた花音は、後ろから袖を引かれて振り返る。

引っ張っていたのは、蒼牙だった。


「ねえねえ、風夜お兄ちゃんとあのお兄ちゃんって、どんな関係なの?」

「・・・親友だよ」


聞かれて、そう返す。



『親友ね。誰のことだか、思いあたる奴はいないな』


前に火焔と会った時、風夜はそう言っていたが、本当にそう思っているとは思わなかった。
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