光の少女Ⅲ【合成獣編】


暫くして瑠璃が戻ってきてから、花音達は合成実験が行われているという研究所まで来ていた。


「こっち、こっち!」


一度中を調べてきたという瑠璃が、花音達を案内するように飛んでいく。


「それで、他の人達が捕まっている牢は何処にあるんだ?」

「この先にある大広間の先だよ」


走りながら問い掛ける朔耶に、紅牙が答える。


「・・・にしても、妙だな」

「んー、そうねぇ」

「何か気にかかるの?」


花音の隣にいた風夜と沙羅に聞き返す。


「ここまでが、順調すぎるんだよ」

「ええ、向こうにとって、私達は侵入者。何も妨害がないのは、おかしいと思ってね」


それを聞き、花音は前を走る朔耶と紅牙、蒼牙へと視線を移す。

彼等の先には、大きな扉があるのが見えた。
扉を開くと、そこが大広間だったらしく、広い空間が広がっていた。

中に入ると、部屋の中心に巨大な檻が置かれていて、その中から不気味な唸り声が聞こえてくる。


「何?この声・・・」

「ようこそ。招かれざるお客さん達」


花音が呟いた時、巨大な檻の後ろから一人の男が出てきた。


「あいつだ!あいつが皆を・・・!」

「皆を、・・・黄兄さん達を返して!」

「ん?・・・なるほど。お前達の仕業か、O-16、R-17。逃げ出しただけでなく、部外者を連れてくるとは、悪い子達だ」


声を上げた紅牙と蒼牙に、男はそう返し、懐から何かのスイッチのようなものを取り出した。
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