光の少女Ⅲ【合成獣編】
第5章 風と火
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「火焔くん!」
「・・・待て」
いきなりのことに反応が遅れたものの、助けるために動こうとした花音の前に風夜が手を出す。
「どうして?助けないと」
「・・・少し様子を見るんだ」
「様子を見るって・・・」
「・・・・・・」
戸惑う花音から視線を逸らし、風夜は火焔達の方を見る。
腕組をして、ただ視線を向けただけの風夜は、本当に動くつもりはないようだった。
「・・・・・・」
本当に助けなくてもよいのかと、迷っていると、男に抑え込まれている火焔が僅かに足を動かすのがわかった。
そのまま、蹴り上げる足を男が飛んで避わす。
その隙に、火焔が資料の方へ手を伸ばしたが、その前に再び接近した男が火焔の襟元を掴み、締め上げた。
「ぐっ・・・、お前は?」
「実験体068・・・命を受け、お前を始末しにきた」
苦痛に表情を歪めながら、問い掛ける火焔に答える声が聞こえてくる。
花音は再び風夜を見たが、それでも彼は動かなかった。
「火焔くん!」
「・・・待て」
いきなりのことに反応が遅れたものの、助けるために動こうとした花音の前に風夜が手を出す。
「どうして?助けないと」
「・・・少し様子を見るんだ」
「様子を見るって・・・」
「・・・・・・」
戸惑う花音から視線を逸らし、風夜は火焔達の方を見る。
腕組をして、ただ視線を向けただけの風夜は、本当に動くつもりはないようだった。
「・・・・・・」
本当に助けなくてもよいのかと、迷っていると、男に抑え込まれている火焔が僅かに足を動かすのがわかった。
そのまま、蹴り上げる足を男が飛んで避わす。
その隙に、火焔が資料の方へ手を伸ばしたが、その前に再び接近した男が火焔の襟元を掴み、締め上げた。
「ぐっ・・・、お前は?」
「実験体068・・・命を受け、お前を始末しにきた」
苦痛に表情を歪めながら、問い掛ける火焔に答える声が聞こえてくる。
花音は再び風夜を見たが、それでも彼は動かなかった。