光の少女Ⅲ【合成獣編】
「ねぇ、いいの?あのお兄ちゃん、助けなくて」
「そうだよ!親友なんじゃ、ないのかよ!」
見ていられなくなったのか、蒼牙と紅牙が声を上げる。
風夜は漸く腕組を解くと、火焔に向かって声を掛けた。
「・・・で、お前はどうしてほしい?」
「っ・・・、どうするもっ、こうするも・・・」
締め上げている068の腕を、火焔が掴む。
「これは、俺のけじめなんだ。・・・手は、出すな!」
「ぐううっ!」
言葉と共に、068の腕を炎が包む。
油断していたのか、それをまともに受けた068は、火焔を離し、炎に焼かれた腕をおさえて退いた。
「・・・おのれっ・・・」
腕を押さえた068が低い声で呟く。
「この私を、なめるな!」
吼えた068の雰囲気が変わったかと思うと、火傷を負ったはずの腕が元に戻る。
「なっ!?」
「さて、次はこっちの番だ」
そう言った068の姿が消え、その直後、火焔の身体が宙に舞う。
「うっ・・・がっ・・・」
そのまま、見えない何かにうちすえられ、最後に更に大きく打ち上げられてから、地へと落ちた。