光の少女Ⅲ【合成獣編】



「・・・大丈夫?火焔くん」


風夜の狙いがダメージを受け、動けない火焔から離すことだというのは想像がついて、花音は座っている火焔に声を掛けた。


「・・・ああ。大した怪我はない」


その言葉に、彼の身体へ視線をさっと走らせる。

確かに大きな怪我や深いものはなさそうで、動けないのは地面に叩き付けられた時の痛みのせいのようだった。


「・・・それより、あいつの方こそ、大丈夫なのか?」

「えっ?」

「光の街の時みたいなことになったら・・・」


その言葉で、火焔が何を心配しているのかわかった。

「・・・大丈夫。風夜は、もう前みたいなことにはならないよ」

「あんたが何の心配をしているのかわからないけど、あいつのあの姿は、俺達も見たことがある」

「そうそう、それで協力して、俺達のことを実験に使っていた奴を倒したんだからな」


花音が言ってもまだ半信半疑のような表情をしていた火焔に、朔耶と紅牙が言う。


「・・・なら、いいけどな」


二人の言葉にそう呟いた火焔に、花音はほっと息をつく。


「さてと、じゃあ、私、風夜を手伝ってくるね」

「えっ?じゃあ、僕も」

「ううん、蒼牙くん達は火焔くんをお願い」

「いや、俺ももう大丈・・・」


言って立ち上がろうとした火焔に、花音は弓を突き付けると、にこりと笑った。
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