光の少女Ⅲ【合成獣編】
「・・・はあ、はあっ・・・、くっ・・・!」
「どうした?先程から、私にこれといった傷も負わせていないぞ」
座り込んでいる花音の前では、風夜と068の攻防が続いている。
だが、残り少ない力を温存しておきたいのか、風夜は受け身にまわってしまっていた。
体力的にもきつくなってきたのか、段々動きも鈍くなってきている。
「がはっ!」
「・・・風夜!!」
「勝負ありだな」
近くに吹っ飛ばされてきた風夜が身を起こす前に、068が言いながら近付いてくる。
その声を絶望的なら気持ちで聞き、068が振り上げた腕を見ていた時、飛んできた火球が命中した。
「・・・悪いな。漸く動けるようになった。あとは俺がやる」
「ははは、また交代か?」
言いながら、現れた火焔に068が笑う。
「そうだ。お前は、俺が・・・」
「待って!」
花音達の前に立ち、身構える火焔に、花音はそう叫ぶ。
「火焔くん、風夜も聞いて。私に考えがあるの」
「考え?」
「うん。・・・このまま、バラバラで相手をしていても、倒すのは難しいと思う。でも、二人が協力すれば・・・」
「協力って、俺と風夜でか?」
言いながら、火焔と風夜が御互いに顔を見合わせる。
それに花音は、大きく頷いた。