光の少女Ⅲ【合成獣編】
「・・・ここは?・・・・・・紫影!?」
目を開けて、見えた姿に驚いたのか、聖が声を上げて起き上がる。
「姉上!」
だが、その身体はすぐにふらついて、紫影が伸ばした腕に受け止められた。
「・・・大丈夫か?」
「え、ええ・・・」
「それより、何があったんだ?」
「・・・もう用済みだそうだ。・・・まあ、あんな化け物が何体もいたら、そうなるんだろうがな」
そう言って、聖の横で起き上がっていた男がくくっと笑った。
「・・・そういえば・・・」
男の言葉を聞き、四人を連れてきた時の窮姫の言葉も思い出し、花音は声を上げる。
「確かに不要とか言っていたけど、四人だけなの?他の人達は?」
「「「「・・・・・・」」」」
そう問い掛けると、四人は少し俯き気味で黙りこんだ。
「・・・父上達は、まだあいつらといるよ。俺達は、父上達に逃がされたんだ」
沈黙の後、大樹が口を開き、それに続くように水蓮も口を開いた。
「とは言っても」
言いつつ、水蓮は誰もいない方へ手を伸ばし、能力を使うような素振りをする。
しかし、何の変化もなければ、彼女の力が高まるような感覚も感じなかった。