光の少女Ⅲ【合成獣編】
「この力って・・・!」
「そうだ。この珠の中には、奪ったお前達の力が込められている。それにより、私は風、火、水、地、陰の力を使えるようになったのだ。そして、更に・・・」
男が黒いオーラに包まれる。
「「「!!」」」
再び男の姿が見えた時、男の身体は頑丈そうな鎧に包まれていた。
「この鎧は、わざわざ私のために用意してくれた特注品。今までの力もパワーアップし、新たな力を手に入れた今、私は最強の存在となったのだ!」
そう言って、男は高笑いを始めた。
「さぁ、そろそろ始めようか?」
「!!気をつけろ!あいつが、元々持っていた力も増しているとしたら・・・」
少し経って笑うのを止めた男に風夜がそう言った時、男の姿が消える。
「・・・皆、上・・・」
星夢が声を上げた時には、既に男は花音達の頭上にいた。
「遅い・・・!」
ニヤリと笑っていた男が、振りかぶっていた拳を振り下ろす。
その時に起きた風圧で、花音達は吹っ飛ばされた。
「このっ・・・」
体勢を立て直した神蘭が男に向かって光弾を放つが、それは男の片手で止められてしまう。
「なっ・・・!?」
「ふん!こんなもの、効かないな」
「龍牙、白夜!」
それを見て、封魔が声を上げ、それに頷いた二人と同時に姿を消す。
次に彼等が姿を現したのは、男のすぐ近くで、三人が同時に剣を振るう。
しかし、男に向かって振り下ろされた三本の剣は、男の寸前で何かに阻まれたように動きが止まった。