私にとっては奪うことが全てで奪われるなんて考えられないわけで。
「空……」
空は下をだし、キラキラ下目で私をらみつめた。頭をなでると空は耳を倒して目を薄くした。
抱っこしていた空を床におろすとどこにいくにも空はついてきた。愛おしく思えた。
その日の晩は何故か食欲がなくおいてあったリンゴをきって食べた。
小さくきって空にもあげると空はリンゴを欲しがった。その姿も可愛くてどんどんリンゴを与えた。無意識に空を餌付けしてきた。
テーブルの上においてあった由紀さんに渡された封筒をふいに手に取った。
中には明日から通う高校の名前がかいた資料と由紀さんからの手紙だった。
明日朝迎えにいくね。と。