翠月姫


ーーーーーーー

“ガチャ”


階段を降りると
ちょうと部屋から戒斗くんが出て来た所だった



「あ、深紗ちゃんおはよ!」

「戒斗くんおはよう」


ニコリと笑みを返す

すると戒斗くんは仔犬のように
元気に“うん!”と弾ける笑顔を見せた


「そうだ深紗ちゃん!急がないとまずいよ!」


「急ぐって…なんで、」


腕を引かれて部屋に入る
そこでは全員が制服を来てソファに座っていた


「深紗~学校行くぞ!!用意済んだか?」


嶺太は朝からいつもと変わらず
明るくはにかんでいる

…待って、学校、!?



「…今日、テストって言っただろ」


「まぁその様子だと、まだ出れなそうだけどっクス」


私の服装を上から下まで私を見た琉斗と戒斗は
顔を見合わせて笑う



「かなり分かり易い所に置いておいた筈なんだが…」


「深紗は天然だから気付かなかったんだよなっ」


追い討ちを掛ける悠さん
バカにしてくる嶺太


私は恥ずかしくて顔を逸らした

朝はあんな事があったから
気付かなかったんだ…



「深紗、焦らなくていいから、行ってこい」


「う、うん、ごめん!!」


湊夜に言われた通りに
私は急いで2階へと上がり制服に着替えた

メイクとか、薄くて良いかな?
髪型とか、決まってるのかな?

とにかく何も分からない…。


取りあえず身支度を整えると
再び階段を降りて皆の元へと戻る

するとそこには 湊夜だけが座っていた







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