翠月姫
引かれるがままに連れてこられた教室に
私は静かに足を踏み入れる
「お待ちしておりました。どうぞ、座って下さい」
おそらく20代くらいであろう
美人な女性がそこで待っていた
そして眩しいほどの笑顔
この学校の人が皆笑顔なのは
きっと小夜さんの影響なのかな‥‥?
「あ‥‥」
気付くと湊夜は既に居なくなっていた
一通りの説明を受けると
早速試験が始まった
__
白基調のまだ真新しく感じる教室の真ん中
ポツリとたった1人机に向かう
「ふぅ…」
目の前のテスト用紙を見つめながら
小さく溜め息を吐いた
試験という事自体が久しぶりすぎて
妙に疲れてしまう
「はい、そこまでです。お疲れ様でした」
やっと試験を終え 教室を出ると
そこには湊夜が立っていた
「お疲れ」
「うん、疲れちゃった」
2人でクスクス笑う
すると遠くの方から足音が聞こえた
「深紗〜!!」