翠月姫
「お疲れーーーっっっ!!」
「ちょ‥‥っと嶺汰ー!いきなり抱き着いて来ないでよっ」
「悪い悪いっ」
言葉に反して反省の色が見えない嶺汰に
私は一発プレゼントしてやった
「深紗ちゃん、試験どうだった?」
「んー‥‥まぁまぁ、かなぁ」
質問に素直に答えると
戒斗くんは笑った
久しぶりの試験は
出来ているのか出来ていないのかすら
よくわからなかったし。
「さて、と。‥‥深紗、行くぞ」
歩き出した湊夜
伸びてきた手に 私の腕は簡単に捕まる
今度は一体 どこに行くつもりなのよ‥‥
しばらく着いていくとそこには
他とは少し雰囲気の違う教室があった
「俺らの教室。毎日来るんだから忘れんなよ?」
「深紗はバカだから絶対迷うよなっハハ」
私は言葉を理解するのに必死だった
俺らの教室って‥‥?
私の困惑した表情を読み取ったのか
悠さんが説明してくれる
「深紗も知っていると思うが、湊夜はここの理事長の息子だからな。色々と自由が利くんだ。」
「あー‥‥なるほど、うん。」
いや、全然なるほどじゃない。
理解不能過ぎる。
「深紗はこれからここで勉強する事になるから」
「うん、わかった。」
とりあえず考えるのをやめる事にした
考えても到底 理解が追いつかないし。