翠月姫
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学校を出て家まで戻ってくると
私はソファーに倒れ込んだ
「つ・か・れ・た」
「ハハッ。色々気を遣っただろうし仕方ないよっ」
隣で“お疲れ様”と声を掛けてくれる戒斗くんが
今は天使に見える
「おっ深紗、おばさんみたいだな?」
「調子乗ると痛い目に合うから覚悟しといて」
「おぉー怖い怖い、深紗がこわいー」
相変わらずムカつく嶺汰
私の正体を知ったら一番驚くんだろう
「私の試験の結果はいつ分かるの?」
「明日。登校したら分かるって母さんが言ってたよ」
「そっか、ちょっと緊張する‥‥」
すごい悪い成績だったらどうしよう
高校に入れませんなんて言われたら‥‥
冷や汗をかく私に戒斗くんが微笑んだ
「大丈夫だよ、深紗ちゃんなら絶対!」
私は小さく頷いた