翠月姫
第六章
side湊夜
side湊夜
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深紗が俺達の前から姿を消して
もう1ヶ月以上の時間が経った
「・・・・・」
どこへ行くにも
なにをするにも
深紗の事が頭を離れない
・・・・・そんなに惚れてたんだな、なんて。
「そーうや」
「…なんだよ、嶺汰」
「そんな怖い顔すんなって。いい知らせだ」
“いい知らせ”という言葉に反応する
「…昨日、翠月姫を見た奴が下っ端にいた。」
「そんな、ありえないだろ…?」
深紗は俺達に見つからないよう
徹底的に手を回していた
だから “深紗を見た”なんて
簡単には信じられない
それでも嶺汰はニヤリと笑った
「間違いない」
「なんでそう言いきれる?」
「これが届いたからだよ。ん」
手渡されたものは 一通の手紙だった