元姫は記憶を消したⅠ
ハァハァ
『お前がやったんだろ!!』
違う………私じゃない。
『皆、信じてよ!』
やめて、それ以上はやめて!
『私じゃないのに、信じたのに。』
違う!!私が信じられるのは、桜華だけ!
『耐えきれない。こんな生活』
ずっと、声が聞こえる。
わたしの声。
わたし自身の声が
『強くなりたい』
『自分で立ち向かえられる人に』
記憶を失った私はそうだった
強くなりたい。立ち向かえられるような人になりたい
それしか、覚えてなかった