oneself 前編
戎橋を渡り、しばらく歩く。
御堂筋を1本挟んだ向こう側にはアメ村などがあり、高校生の頃は良く古着屋巡りをした。
心斎橋筋と呼ばれるショップの立ち並ぶメイン通りも、通った事はある。
でもそこから1本2本奥へ進めば、飲み屋が沢山入った雑居ビルがあり、こんな真昼間でも、空気が違うような気がした。
「あ、ここな!」
そう言って指さされた、1件のビル。
ここがお店?
「とりあえず、未来ちゃんはここで待ってて。哲平は今から面接やから」
「未来、ごめんやけどちょっとだけ待ってて」
そう言い残してさっそうと中に消えていく二人。
あたしは仕方なくその場にしゃがみ込み、携帯を取り出した。
昨晩から今日にかけての、哲平のメールを開く。
あたしが悪いよね…
哲平が仕事で悩んでいる間に、あたしは思いやりのひとつもなかった。
それに加えて、不安になってる哲平に、何も気付かずにいた。
あたしは哲平の決めた事を、応援してあげるしかないのかな。
御堂筋を1本挟んだ向こう側にはアメ村などがあり、高校生の頃は良く古着屋巡りをした。
心斎橋筋と呼ばれるショップの立ち並ぶメイン通りも、通った事はある。
でもそこから1本2本奥へ進めば、飲み屋が沢山入った雑居ビルがあり、こんな真昼間でも、空気が違うような気がした。
「あ、ここな!」
そう言って指さされた、1件のビル。
ここがお店?
「とりあえず、未来ちゃんはここで待ってて。哲平は今から面接やから」
「未来、ごめんやけどちょっとだけ待ってて」
そう言い残してさっそうと中に消えていく二人。
あたしは仕方なくその場にしゃがみ込み、携帯を取り出した。
昨晩から今日にかけての、哲平のメールを開く。
あたしが悪いよね…
哲平が仕事で悩んでいる間に、あたしは思いやりのひとつもなかった。
それに加えて、不安になってる哲平に、何も気付かずにいた。
あたしは哲平の決めた事を、応援してあげるしかないのかな。