oneself 前編
過去を嘆いたって、仕方がない。


そんな事に気付けないままだった頃より、気付けて良かった事がある。


あたしと同じように、哲平も不安になったり、疑ったりするんだね。


それは、やっぱり好きだからで。


高校の頃みたいに、あたしの思いばかりじゃない事が、嬉しかったりもする。


でもね。


もしもタイムマシーンがあるのならば。


あたしは昨日の夜に戻りたい。


あの時、全てを投げ出してでも、哲平の元へ行けば良かったんだ…


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