oneself 前編
「なぁ未来、お前が大学行って、俺には変わったように見えたけど、変わらず好きでいてくれたやん。だから俺も、何も変わらんから、心配すんな」


そう言ってニコッリと笑った哲平。


もう今更、嫌だなんて言えない。


哲平を信じて、辞める日が来るのを、待つしかないんだ。


「ゴールデンウィークは、どっか出かけよっか」


「うん…」


ゴールデンウィークが明けたら、哲平は本当にホストになってしまうんだ。


あたし達は、これから先、どうなっていくんだろう?


そして迎えたゴールデンウィーク。


あたしは抱えた不安をかき消すように、哲平との時間を過ごした。


海遊館に行ったり。


映画やショッピング。


ボーリングやカラオケ。


とにかくこれから先の未来は想像もつかなくて。


でも、ただただ不安で…


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