oneself 前編
「ごめんな…」


もう一度謝って、心配そうな顔であたしを見つめる哲平。


「いいよ。疲れてるんやろ?」


うっすらと目の下にくまが出来ている。


今日だって寝てないんだよね。


「未来」


少し安心したような表情を見せた哲平は、そのままあたしを抱き締めた。


「好きやで」


そう言うなり、あたしはベッドに押し倒された。


「哲平?」


いきなりどうしたんだろう?


何かいつもと違うよ?


もちろん哲平に抱かれる事は、嫌じゃない。


哲平の体重で押しつぶされそうになりながら、あたしは次の哲平の言葉を、行動をじっと待っていた。


そのまま動かない哲平。


だんだんと息が苦しくなる。


「哲平?」


もう一度、かすれる声で名前を呼んだ。


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