oneself 前編
念入りに体を洗い、ゆっくりと温泉に浸かる。


これからの事を考えると、思わず頬が緩んだ。


まずはゆっくりとご飯を食べて。


そしてゆっくりと色んな話をして。


明日は何をするんだろう?


温泉からあがり、髪の毛を乾かし終わった頃には、入ってから45分ほどが経っていた。


哲平はとっくにあがってるよね。


あたしは急いで部屋へと戻った。


「ごめ〜ん、ゆっくり浸かり過ぎた〜」


「もう夕飯の準備出来てるってさ。もう俺腹減って死にそう」


まちくたびれた様子の哲平。


あたしがお風呂のセットをテーブルの上に置くと、哲平はすくっと立ち上がった。


「よし、行くぞ」


あたしも家を出る前に、パンをひとつ食べたっきりだ。


そう気付いた瞬間、一気にお腹が減ってきた。


「うん!」


そして二人で、夕飯を食べる別室に向かった。


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