oneself 前編
一気に話して、最後に自分の思いを告げた哲平は、今までで1番輝いた目をしていた。


フーッ…


自然と漏れるため息。


あたしは哲平の彼女で。


だけど、やりたい事を止める権利はないんだ。


待つしかないんだ、あたしには。


でも…


未来にイイ男だと思ってもらえるように。


そんな些細な一言が、やっぱりあたしには、1番効くんだよ。


あたしはゆっくりと哲平を見上げた。


「頑張れ」って。


そう言おうと思ったの。


もうこれで、この話は終わりにして。


今からは、幸せな時間を過ごしたいから。


なのに…


話はこれで終わりじゃなかったんだ。


もう今以上に辛くて、苦しい事なんて、ないと思ってたのに。


「そんでな…」


さっきとは打って変わって、低いトーンでになる哲平。


あたしは言いかけようとしていた言葉を、ゴクリと飲みこんだ。


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