oneself 前編
はあはあと息があがるほどに一気にまくし立てたあたしは、哲平のその姿を見て、少しだけ我に返った。


ブオーンという空調機の音が、やけに耳につく。


それくらい、この部屋は静かで。


流れる沈黙。


何も言わない哲平。


あたしはまたしても、こみ上げるイライラを抑える事が出来なかった。


「最低」


そう冷たく言い放った。


今まであたしが、こんなにも哲平を責めた事があっただろうか?


ないよね。


こんな事1度だってなかった。


だって哲平は、人の気持ちが考えられる、本当に優しい人だったでしょう?


あたし、間違ってないよね?


ねぇ哲平。


幸子だって、そんな哲平おかしいって言ってたよ…


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