oneself 前編
「香はそれでもその人の事好きなん?」
あたしは色々と考えた結果、結局そんな事を聞いた。
「う~ん」
曖昧な返事の香。
好きなら仕方ない…
さっきのあの言葉は、自分の事でもあったんだろうか。
香にだってそう、奈美にだってそう、「そんな人やめなよ」、そう言いたい気持ちもあった。
でもじゃああたしは?
あたしの不安を分かってても、ホストを続けると言う哲平。
それこそ周りからしたら、「そんな人やめなよ」、そう言われるかも知れない。
そう考えると、何も言えなかった。
「あ、でもな!」
暗くなるあたしに気付いてか、香は少し声のトーンを高めた。
「あたしバイト始めてん!」
「えっ?」
「だからほら、爪も取ったし」
そう言ってもう一度手を広げて見せる香。
「それでな…」
そこでまた声色が変わった香は、あたしを心配そうに見つめて言った。
「未来、カード大丈夫?」
あたしは色々と考えた結果、結局そんな事を聞いた。
「う~ん」
曖昧な返事の香。
好きなら仕方ない…
さっきのあの言葉は、自分の事でもあったんだろうか。
香にだってそう、奈美にだってそう、「そんな人やめなよ」、そう言いたい気持ちもあった。
でもじゃああたしは?
あたしの不安を分かってても、ホストを続けると言う哲平。
それこそ周りからしたら、「そんな人やめなよ」、そう言われるかも知れない。
そう考えると、何も言えなかった。
「あ、でもな!」
暗くなるあたしに気付いてか、香は少し声のトーンを高めた。
「あたしバイト始めてん!」
「えっ?」
「だからほら、爪も取ったし」
そう言ってもう一度手を広げて見せる香。
「それでな…」
そこでまた声色が変わった香は、あたしを心配そうに見つめて言った。
「未来、カード大丈夫?」