oneself 前編
「分からへん…」
「ふ〜ん」
その事にはさほど興味なさそうに、彼女はペットボトルのお茶を一口飲むと、クルリとあたしの方に、膝を向けた。
「ね、前から話してみたいなって思ってたの。未来ちゃんだよね?」
マスカラがバッチリ塗られた目を、パチパチとさす彼女。
あたしは今更ながら、彼女のイントネーションに、関西人じゃないんだと、ふと思った。
「あ、うん…」
そんなあたしの答えに、彼女はグイッとあたしに顔を寄せる。
「あたしは翼ね!」
相変わらず目をパチパチとさせながら、彼女はニッコリと微笑んだ。
翼という名前が、彼女の活発なイメージに、ぴったりだと思った。
少し戸惑いながらも、話していくうちに、翼とはすぐに打ち解けた。
長野県出身で、今は一人暮らしをしている事。
大阪には友達もおらず、一緒に買い物に行ったり、ご飯を食べに行く友達が欲しかった事。
同じ系統の服装をしているあたしを見かけた時、興味を持った事。
そう、あたしも傍から見れば、髪の毛はクルクルで、少し派手目の格好。
学科内ではあまりいないタイプだった。
もちろんあたしの場合は、スタイルも良くなければ、美人でもなく、人目につくような存在ではないのだけれど。
それでも同姓から、しかも翼にそう言われると、何だか認められたような気がして嬉しかった。
奈美と買い物に行く際、お目当てのショップが違うので、別行動を取った事もあった。
翼となら、同じショップで買い物を楽しめそうだ。
「でも未だに、梅田は迷っちゃうんだよね」
そう苦笑いする翼は、見た目よりもずっと話しやすくて、あたしは新たに出来た友達の存在に、心を弾ませていた。
「ふ〜ん」
その事にはさほど興味なさそうに、彼女はペットボトルのお茶を一口飲むと、クルリとあたしの方に、膝を向けた。
「ね、前から話してみたいなって思ってたの。未来ちゃんだよね?」
マスカラがバッチリ塗られた目を、パチパチとさす彼女。
あたしは今更ながら、彼女のイントネーションに、関西人じゃないんだと、ふと思った。
「あ、うん…」
そんなあたしの答えに、彼女はグイッとあたしに顔を寄せる。
「あたしは翼ね!」
相変わらず目をパチパチとさせながら、彼女はニッコリと微笑んだ。
翼という名前が、彼女の活発なイメージに、ぴったりだと思った。
少し戸惑いながらも、話していくうちに、翼とはすぐに打ち解けた。
長野県出身で、今は一人暮らしをしている事。
大阪には友達もおらず、一緒に買い物に行ったり、ご飯を食べに行く友達が欲しかった事。
同じ系統の服装をしているあたしを見かけた時、興味を持った事。
そう、あたしも傍から見れば、髪の毛はクルクルで、少し派手目の格好。
学科内ではあまりいないタイプだった。
もちろんあたしの場合は、スタイルも良くなければ、美人でもなく、人目につくような存在ではないのだけれど。
それでも同姓から、しかも翼にそう言われると、何だか認められたような気がして嬉しかった。
奈美と買い物に行く際、お目当てのショップが違うので、別行動を取った事もあった。
翼となら、同じショップで買い物を楽しめそうだ。
「でも未だに、梅田は迷っちゃうんだよね」
そう苦笑いする翼は、見た目よりもずっと話しやすくて、あたしは新たに出来た友達の存在に、心を弾ませていた。