oneself 前編
家に着いたのは、12時をまわった頃だった。


帰り道に携帯をチェックすると、哲平からの着信とメールが1件ずつ。


お店がうるさくて、全くと言っていいほど、気付いていなかった。


その連絡からは、もうすでに2時間が過ぎている。


哲平はもう、仕事で疲れてるし、寝てるよね…


メールを開く。


「残業で終わって、やっと今帰って来たわ。未来の声聞いてから、寝ようと思ってんけどな。まぁ楽しんでおいでな!」


悪い事をしたなぁと思いつつも、お酒の入っていたあたしは、そのままベッドに横たわると、知らないうちに、深い深い眠りへと誘われていた…


昔と比べると、あたしは変わっちゃったのかも知れないね。


哲平の職場は男の人が多くて、高校の時よりも、心配しなくなった。


でもそれは、哲平の愛情を、信じてたからだよ?


新しい生活は楽しくて、あたしは必死だったかもしれない。


でもそれは、二人の未来を信じてこそだよ?


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