oneself 前編
変わりたい気持ち
結局、あれから買い物を続ける二人に耐え切れなくなったあたしは、早々に理由をつけて、先に帰って来た。
ブーッ、ブーッ…
部屋でボーっとしていると、震える携帯には、香の名前が表示されていた。
「もしもし…」
「もしもし、未来?」
電話越しは静かで、かすかに漏れるテレビの音から、香はもう家なんだと分かった。
「てかさ、何かあった?未来ずっと元気なかったし…」
心配そうに尋ねる香に、あたしは自分の胸の内を何て言ったらいいのかは分からなかったけれど、このまま一人でいじけているのも嫌だったので、思った事を正直に話し出した。
初めて行ったフレンチのお店では、メニューを見てもちんぷんかんぷんだった事。
二人の話に、ついていけなかった事。
洋服の高さに、驚いた事。
高校時代から何も変わってないあたしは、綺麗に変わった二人に対して、少し焦る気持ちと、そして少し淋しくなった気持ちで、複雑だった事。
香は馬鹿にする事なく、優しく相槌を打ちながら、あたしが一通りを話し終えるまで、黙って聞いていた。
ブーッ、ブーッ…
部屋でボーっとしていると、震える携帯には、香の名前が表示されていた。
「もしもし…」
「もしもし、未来?」
電話越しは静かで、かすかに漏れるテレビの音から、香はもう家なんだと分かった。
「てかさ、何かあった?未来ずっと元気なかったし…」
心配そうに尋ねる香に、あたしは自分の胸の内を何て言ったらいいのかは分からなかったけれど、このまま一人でいじけているのも嫌だったので、思った事を正直に話し出した。
初めて行ったフレンチのお店では、メニューを見てもちんぷんかんぷんだった事。
二人の話に、ついていけなかった事。
洋服の高さに、驚いた事。
高校時代から何も変わってないあたしは、綺麗に変わった二人に対して、少し焦る気持ちと、そして少し淋しくなった気持ちで、複雑だった事。
香は馬鹿にする事なく、優しく相槌を打ちながら、あたしが一通りを話し終えるまで、黙って聞いていた。