oneself 前編
「未来、とりあえずここから出よ?」
鞄を肩にかけて、奈美は指先で涙を拭いながら、立ち上がった。
「あ、うん…」
「未来ちゃん、お金の事とかはいいから、今日はもう奈美ちゃん連れて帰ってあげ!そのうちここもお開きやから!」
隣で心配そうに見守っていた、あたしを呼びに来た先輩が、あたしの肩をポンポンと叩きながら優しく笑った。
「すいません、じゃあ今日はこれで失礼します」
「おう、気付けてな!」
あたしは周りの先輩達にも軽く頭を下げ、先に行ってしまった奈美の後を追いかけた。
「ごめんなぁ、変な事なってしもて」
追いかけて来たあたしに、申し訳なさそうにする奈美。
その目には、まだ涙が潤んでいた。
「それはいいけど、とりあえず今からどうする?」
時計を見ると、もう11時になる頃だった。
「終電もうすぐやしなぁ。未来さえ良ければ、話聞いて欲しいし、家来てくれへん?」
鞄を肩にかけて、奈美は指先で涙を拭いながら、立ち上がった。
「あ、うん…」
「未来ちゃん、お金の事とかはいいから、今日はもう奈美ちゃん連れて帰ってあげ!そのうちここもお開きやから!」
隣で心配そうに見守っていた、あたしを呼びに来た先輩が、あたしの肩をポンポンと叩きながら優しく笑った。
「すいません、じゃあ今日はこれで失礼します」
「おう、気付けてな!」
あたしは周りの先輩達にも軽く頭を下げ、先に行ってしまった奈美の後を追いかけた。
「ごめんなぁ、変な事なってしもて」
追いかけて来たあたしに、申し訳なさそうにする奈美。
その目には、まだ涙が潤んでいた。
「それはいいけど、とりあえず今からどうする?」
時計を見ると、もう11時になる頃だった。
「終電もうすぐやしなぁ。未来さえ良ければ、話聞いて欲しいし、家来てくれへん?」