oneself 前編
その時、あたしの鞄の中では、携帯が鳴っていた。


週末の騒がしい街並と、歩く振動で、全く気が付かなかった。


不在着信2件、メール1件。


電池マークがわずか1個だったあたしの携帯は、運悪くメール受信後に、充電切れとなった。


そして、そのまま電源が落ちてしまったままの携帯に、あたしが気付くのは、もう少し先の事。


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