いきぬきのひ

「……ったく、麻衣子さんには、かなわないな」
やっと解放されたのか。面倒くさそうに携帯を後ろポケットにしまうと、彼は不機嫌を煮詰めたような顔で私を睨む。
「それはそれは、どーも、お疲れ様でした」
 秘書の時のように、私はしらじらしく笑って答えた。
< 9 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop